カラオケや歌の練習をしていて、語尾が美しく揺れるビブラートに憧れたことはありませんか。自分には才能がないからできないのではないかと不安になる方も多いですが、実際のところビブラートできる人の割合はどの程度なのでしょうか。
実は、ビブラートは特別な才能がなくても、正しい仕組みを理解して練習すれば誰でも習得できるテクニックです。この記事では、ビブラートができる人の割合や、自然にできる人の特徴、そして初心者でも最短で身につけるための具体的なステップを詳しく解説します。あなたの歌唱力を一段階引き上げるためのヒントが満載です。
ビブラートできる人の割合と習得に向けた基本的な考え方

ビブラートができる人の割合については、公式な統計データがあるわけではありませんが、一般的なボイストレーニングの現場やカラオケ利用者の傾向からある程度の推測が可能です。ここでは、どれくらいの人がビブラートを使いこなしているのか、その実態に迫ります。
一般的にビブラートができる人の割合はどのくらい?
ボイストレーニングに通っていない一般の方の中で、意識的に綺麗なビブラートをかけられる人の割合は、おおよそ10%から20%程度と言われています。カラオケで採点機能を利用した際に、ビブラートの項目でコンスタントに高評価を得られる人は意外と少ないのが現状です。
一方で、プロの歌手や本格的に歌を学んでいる人の間では、ビブラートができる人の割合はほぼ100%に近くなります。これは、ビブラートが単なる飾りではなく、発声の安定感や表現力を示す基礎技術の一つとして捉えられているからです。最初からできる人は稀で、多くの人が練習を経て習得しています。
また、日本人の場合は言語の特性上、喉を閉めて発声する癖がつきやすいため、欧米圏の人に比べると自然にビブラートがかかる人の割合は低い傾向にあります。しかし、これは「できない」ということではなく、単に「喉をリラックスさせるコツを掴んでいないだけ」であることがほとんどです。
自然にビブラートができる人の特徴とは
練習をしなくても最初からビブラートができる人の割合は非常に少ないですが、そういった方々には共通した特徴があります。最も大きな特徴は、「喉に余計な力が入っていない」という点です。歌う時に喉がリラックスしていると、吐く息の圧力に対して声帯が柔軟に反応し、自然な揺らぎが生まれます。
また、幼少期から音楽に触れていたり、合唱団などに所属していたりした経験がある人も、無意識にビブラートを習得していることが多いです。彼らは「音を揺らす」という感覚を耳で覚えており、それを再現するための体の使い方が自然に身についています。これはスポーツにおけるセンスと同じようなものです。
他にも、感情を込めて歌う癖がある人は、語尾で息を吐ききる際に喉が緩み、それがきっかけでビブラートがかかり始めることがあります。このように、自然にできる人は「脱力」と「息のコントロール」が、理論を知らなくても感覚的にできているのが特徴です。
ビブラートの種類による難易度の違い
一口にビブラートと言っても、実はいくつかの種類があり、それぞれ習得の難易度が異なります。一般的に「綺麗なビブラート」とされるのは、横隔膜を微細に動かして音量をコントロールするタイプや、喉の奥を柔軟に動かすタイプです。これらは習得に時間がかかりますが、聴き心地が非常に良いのが特徴です。
一方で、顎を上下に動かしたり、舌を動かしたりして無理やり音を揺らす「顎ビブラート」と呼ばれる手法もあります。これは初心者でも比較的すぐに真似ができるため、できる人の割合としては高くなりますが、見た目が不自然になったり、音程が不安定になったりするデメリットがあります。
ボイストレーニングで推奨されるのは、あくまで喉や横隔膜を使った自然なビブラートです。最初は難しいと感じるかもしれませんが、正しいフォームで練習を積めば、誰でも一生ものの技術として身につけることができます。焦らずに、まずは自分の喉の状態を把握することから始めましょう。
知っておきたいビブラートの仕組みと種類

ビブラートができるようになるためには、その正体を知ることが近道です。ビブラートとは、音の高さ(ピッチ)や強さが一定の周期で規則正しく揺れる現象のことを指します。ここでは、代表的な3つの種類について詳しく解説します。
横隔膜を揺らす「横隔膜ビブラート」
横隔膜ビブラートは、肺の下にある横隔膜を細かく上下させることで、吐き出す息の量(圧波)を変化させ、音を揺らす手法です。プロの歌手の多くがこの方法を採用しており、最も安定感があり、深い響きが得られるのが特徴です。オペラや本格的なポップスでよく耳にするタイプですね。
この手法を習得すると、音程を崩すことなく、声のボリュームを微細に変化させることで心地よい揺らぎを生み出せます。ただし、横隔膜をコントロールするためには腹式呼吸の習得が不可欠であり、一朝一夕で身につくものではありません。体幹を支え、呼吸筋を鍛える地道なトレーニングが必要となります。
このビブラートができるようになると、歌声に深みが増し、聴き手に安心感を与えることができます。また、喉への負担が非常に少ないため、長時間の歌唱でも声が枯れにくくなるという大きなメリットもあります。歌唱力の土台を作りたい方には、ぜひ目指してほしい種類です。
喉の筋肉を動かす「喉ビブラート」
喉ビブラートは、喉仏の周辺にある筋肉を柔軟に動かすことで、音程をわずかに上下させて揺らぎを作る手法です。R&Bやソウルミュージック、あるいは日本の演歌などで、細かく速い揺れを表現する際によく使われます。横隔膜ビブラートよりも軽やかで、テクニカルな印象を与えるのが特徴です。
このタイプは、喉の力を完全に抜いた状態で、喉の奥の空間を広げたり閉じたりする感覚で行います。喉を「振る」のではなく、あくまで「緩める」ことで自然に発生させるのが理想的です。力んでしまうと、単に声が震えているだけの「ちりめんビブラート」になってしまうため注意が必要です。
喉ビブラートができるようになると、フレーズの語尾だけでなく、歌の途中の細かい装飾音としても活用できるようになります。表現の幅を広げるためには非常に有効な手段ですが、喉を痛めないように、常にリラックスした状態を保つ練習が欠かせません。
ちりめんビブラートとは、小刻みに細かすぎる揺れのことです。喉が締まっている時に起きやすく、聴き手に不安定な印象を与えてしまうことがあるため、リラックスして幅を広げる練習をしましょう。
顎や舌を動かす「補助的ビブラート」
初心者の方が無意識にやってしまいがちなのが、顎をガクガクと上下に動かしたり、舌を前後に動かしたりして音を揺らす方法です。これは厳密には正しいビブラートとは言えませんが、特定のジャンル(例えば一部のジャズやカントリー)では独特のニュアンスを出すために使われることもあります。
しかし、基本的にはお勧めできません。なぜなら、顎や舌を動かすと、発音の明瞭さが失われたり、喉に余計な力が入ってしまったりするからです。また、見た目にもあまりスマートとは言えず、カラオケの採点でも「不安定な音程」と判定されやすくなってしまいます。
もし自分が歌っている時に顎が勝手に動いてしまう場合は、まずは手で顎を軽く押さえながら、喉や横隔膜だけで音を揺らす練習に切り替えましょう。正しいビブラートは、体の内側から生まれるものです。外側の大きな動きに頼らず、繊細な筋肉のコントロールを目指すことが大切です。
ビブラートができない原因をチェックしよう

「自分だけビブラートができない」と悩んでいる方の多くには、いくつかの共通した原因があります。自分がどのパターンに当てはまるかを確認することで、改善の方向性が見えてきます。代表的な3つの原因を挙げてみましょう。
喉周りの筋肉が緊張している
ビブラートができない最も多い原因は、喉の過度な緊張です。「高い声を出そう」「綺麗に揺らそう」と意識しすぎるあまり、喉仏の周辺や首の筋に力が入ってしまうと、声帯はガチガチに固まってしまいます。弦楽器の弦を指で強く押さえつけすぎると響かなくなるのと同じ理屈です。
声帯が柔軟に動かない状態では、音を揺らすための「遊び」がなくなります。その結果、音程が一本調子になったり、無理に揺らそうとして声がひっくり返ったりしてしまいます。ビブラートは「揺らす」ものではなく、リラックスした結果として「揺れる」ものだと意識を変えることが重要です。
また、肩や胸の周りが強張っているのもマイナス要因です。全身の緊張は喉に伝染するため、歌い始める前にストレッチを行ったり、深呼吸をしたりして、上半身を柔らかく保つ工夫が必要です。特に首を左右にゆっくり回して、筋肉を解きほぐす習慣をつけましょう。
呼吸が浅く、息の支えが足りていない
ビブラートを安定して持続させるには、一定の圧力で息を吐き続ける「支え」が必要です。呼吸が浅い胸式呼吸になっていると、吐く息の量が不安定になり、声の揺らぎをコントロールすることができません。風船から空気が漏れるように、弱々しく息が抜けてしまうとビブラートはかかりません。
腹式呼吸ができていないと、声を出すために喉の筋肉を絞り出すように使ってしまうため、前述した「喉の緊張」も併発しやすくなります。安定したロングトーンが出せない状態でビブラートを練習しても、なかなか身につきません。まずは土台となる呼吸法を見直す必要があります。
息を吸う時にお腹を膨らませ、吐く時にゆっくりと凹ませていく。この基本的な動作が、歌っている最中も無意識にできるようになれば、ビブラートの習得速度は飛躍的に向上します。息のコントロールができるようになると、ビブラートの速さや幅も自由自在に操れるようになります。
「音を揺らす」という感覚が掴めていない
物理的な原因だけでなく、イメージが湧いていないことが原因の場合もあります。ビブラートは「半音くらい音程を下げる、戻す」という動作の繰り返しですが、この感覚が頭で理解できていても、体で表現できないという方は多いです。スポーツで言えば、フォームは知っているけれどコツが掴めない状態です。
また、自分の声を客観的に聴けていないことも原因の一つです。自分では揺らしているつもりでも、実際にはほとんど揺れていなかったり、逆に不自然なほど激しく揺れすぎていたりと、理想とのギャップに気づけていないケースです。これは耳を鍛えることで解消できます。
優れた歌い手のビブラートを繰り返し聴き、それをスロー再生などで分析してみるのも効果的です。どの程度の速さで、どの程度の幅で揺れているのかを具体的にイメージできるようになると、脳が体へ送る指令も正確になります。イメージトレーニングは、技術習得において非常に強力な武器になります。
初心者向け!ビブラートを習得するための3ステップ

原因がわかったところで、次は具体的な練習方法に移りましょう。いきなり綺麗なビブラートを目指すのではなく、段階を踏んで練習することで、着実に感覚を掴むことができます。今日からできる3つのステップを紹介します。
ステップ1:まずは安定したロングトーンを出す
ビブラートの練習に入る前に、まずは真っ直ぐで安定した声を5秒〜10秒出し続ける練習をしましょう。これをロングトーンと呼びます。音が震えたり、途中で細くなったりせずに、同じ音量・音程で声を出し続けることが、ビブラートの絶対的な基礎となります。
壁に背中をつけて立ち、お腹の底から声を出すイメージで練習してみてください。出しやすい中音域の「あー」という音で構いません。これができない状態でビブラートをかけようとすると、単に声が不安定なだけになってしまいます。まずは自分の声を完璧に制御できる状態を目指しましょう。
ロングトーンが安定してくると、喉の奥の空間を保つ感覚が養われます。この「空間を保つ」という感覚が、のちにビブラートを響かせるための共鳴腔(声を響かせるスペース)として機能します。毎日1分でも良いので、真っ直ぐな声を出す習慣をつけてください。
ステップ2:音程をゆっくり「半音」上下させる
ロングトーンができるようになったら、次は音をあえて揺らしてみます。ただし、最初から速く動かそうとしてはいけません。例えば「ド」の音から始めて、「ド・シ・ド・シ・ド・シ」というように、ゆっくりと半音だけ音程を下げる動きを繰り返します。
ポイントは、メトロノームなどを使い、一定のリズムで練習することです。最初は1秒間に2回くらいのゆったりとしたペースで行いましょう。この時、喉だけで音を変えるのではなく、お腹(横隔膜)にわずかな弾力を感じるように意識すると、より理想的なビブラートに近づきます。
【練習のコツ】
1. 「あ〜」という声で、ゆっくり音程を上下させる。
2. 音の幅が一定になるように注意する(広すぎず、狭すぎず)。
3. 慣れてきたら、少しずつテンポを上げていく。
この練習を繰り返すと、脳が「音を揺らす」という動作に慣れてきます。無理にビブラートらしく聴かせようとせず、まずは正確に音を上下させることを意識してください。徐々にスピードを上げていき、1秒間に4回〜6回程度の揺らぎが作れるようになれば合格です。
ステップ3:ドッグブレスで横隔膜を動かす感覚を養う
横隔膜を使ったビブラートを身につけるために最適なのが「ドッグブレス」という練習です。犬が暑い時に「ハッ、ハッ、ハッ」と短く息を吐く様子を真似るトレーニングです。これを行うと、お腹の筋肉が連動して動くのがはっきりと分かります。
まずは声を出さずに、息だけで「ハッ、ハッ、ハッ」と一定のリズムで吐き出します。この時、肩が上がらないように注意し、お腹だけが激しく動くように意識してください。次に、その息に軽く声を乗せて「ハッ、ハッ」と言ってみましょう。これがビブラートの原動力となる横隔膜の動きです。
ドッグブレスの動きをより細かく、滑らかに繋げていくと、自然なビブラートが生まれます。最初はお腹が疲れるかもしれませんが、それは正しく筋肉を使えている証拠です。この練習を続けることで、喉に頼らずに息の圧力で音を揺らす技術が定着していきます。
ビブラートをより美しく聴かせるためのテクニック

ビブラートができるようになったら、次はそれをどう使うかが重要です。ただ揺れているだけでは、かえって歌の邪魔をしてしまうこともあります。聴き手を魅了するための、ワンランク上の使いこなし術を紹介します。
揺れの幅とスピードを曲に合わせて調整する
ビブラートは、曲のジャンルやテンポによって使い分けるのが鉄則です。例えば、ゆったりとしたバラードであれば、揺れの幅を少し広めにし、ゆったりとしたスピードでかけると感動的な演出になります。逆にアップテンポな曲では、細かく速いビブラートの方がリズムに乗りやすく、洗練された印象を与えます。
自分が練習している曲をよく聴き、オリジナルの歌手がどのようなビブラートを使っているか分析してみましょう。「幅」と「速さ」を意図的にコントロールできるようになれば、表現力は劇的に向上します。録音した自分の声を聴き、曲の雰囲気に合っているかチェックするのも非常に有効です。
もし、どうしてもスピードが速くなりすぎてしまう(ちりめんビブラートになる)場合は、あえて「音を揺らさない」部分を長く作り、最後の最後にだけゆったりと揺らすように意識してみてください。対比を作ることで、ビブラートの美しさがより際立つようになります。
ビブラートをかけるタイミングを工夫する
最初から最後までずっとビブラートがかかっていると、聴いている人は疲れてしまいます。ビブラートは「ここぞ」というポイントで使うからこそ、その価値が生まれます。基本的には、ロングトーンの後半部分にだけかける「後かけビブラート」が、最も一般的で心地よいとされています。
フレーズの出だしは真っ直ぐな声で芯を伝え、語尾に向かって徐々に揺らぎを加えていく。このグラデーションを作ることで、歌に情緒が生まれます。もちろん、フレーズ全体に浅くかける手法もありますが、まずは「真っ直ぐから揺らす」というコントロールができるようになりましょう。
また、全ての語尾にビブラートを入れる必要もありません。あえて真っ直ぐ声を切る(ノンビブラート)箇所を作ることで、切なさや力強さを表現することができます。引き算の美学を意識して、ビブラートを「貴重なスパイス」として扱うことが、上級者への第一歩です。
| かけ方 | 特徴 | 適したシーン |
|---|---|---|
| 後かけ | 真っ直ぐから徐々に揺らす | バラード、J-POPの王道 |
| 全体かけ | 音の出だしから揺らす | 演歌、ジャズ、クラシック |
| ノンビブラート | あえて揺らさない | クール、ロック、現代的な楽曲 |
録音して「客観的な聞こえ方」をチェックする
自分の体の中で響いている声と、スピーカーを通して外に聴こえている声には大きな差があります。自分では綺麗にビブラートをかけているつもりでも、録音を聴いてみると「音が外れているように聴こえる」あるいは「揺れが弱すぎて気づかない」ということがよくあります。
スマートフォンの録音アプリなどで自分の歌を録り、何度も聴き返してみましょう。「自分が思っている以上に、大げさにやらないと伝わらない」ことに気づくかもしれません。逆に、揺れが激しすぎて不快に感じる場合は、もっと細かく制御する必要があります。
録音を聴く際は、音程が上下にブレすぎていないか、リズムが崩れていないかを中心に確認してください。客観的なフィードバックを繰り返すことで、耳が良くなり、それに応じて喉の使い方も洗練されていきます。この地道な作業こそが、ビブラートをマスターするための最短ルートです。
まとめ:ビブラートができる人の割合は努力次第で増やせる!
ビブラートができる人の割合は、決して高いわけではありません。しかし、それはビブラートが特殊な才能によるものではなく、単に正しい練習法を知っている人が少ないだけ、というのが実情です。喉の力を抜き、呼吸を整え、段階的に練習を積めば、誰でもあの心地よい揺らぎを手に入れることができます。
まずは自分の喉がリラックスできているかを確認し、簡単なロングトーンから始めてみてください。ドッグブレスでお腹を動かす感覚を掴み、ゆっくりと音を揺らす練習を繰り返せば、ある日突然「あ、これだ!」という感覚が訪れるはずです。ビブラートは一度コツを掴んでしまえば、一生忘れることのない素晴らしいスキルになります。
この記事で紹介した練習ステップを参考に、ぜひ日々のボイトレを楽しんでください。自分の歌声が自由に、美しく揺れ始めたとき、歌うことの楽しさは今よりも何倍にも膨れ上がっているはずです。あなたの歌声がより魅力的なものになるよう、応援しています。



